復活
第1話

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2005
 韓国 KBS 制作


(ソ・ハウン
(ユ・シンヒョク)
オム・テウン


(ソ・ウナ
ハン・ジミン



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 ===20年前  江原道(カンウォンド)===

 大雨の夜、賭博師(ソ・ジェス)の家に
 賭博で知り合った男が尋ねてきたところから物語は始まる。

 ジェス 「こんな夜中に・・・払うと言っているだろ。逃げも隠れもしないよ」
 賭博の借金の取り立てと思ったジェスだったが、
 男   「しばらく、頼む・・・」
 脇に抱えていた血だらけの男の子を預け、男は二度と戻ってはこなかった。
 記憶を無くし、最初 口がきけなかった男の子は(ソ・ハウン)と名付けられ
 その後 賭博をやめ屋台の店主となったジェスは、男手ひとつで
 一人娘(ソ・ウナ)と共に、二人を兄妹として育てる。

 そして20年後・・・
 ハウンは、心が温く正義感の強い熱血刑事に成長していた。

 ===20年後 ソウル===

 ハウンは張り込みの待機中、車の中でうなされる様に夢をみていた。

 ―――小さい頃から遊んでいた二つの灯台まで楽しそうに走るハウンとウナ・・・
    やがて「走れ!」の声に 追われる様に一人逃げるハウン・・・
    そして、記憶の失っなったハウンが唯一覚えている
     トラックから手招きする大きな指輪の手と 崖下で炎上する白い車―――

 別の車で待機していた同僚刑事(スチョル)からの携帯音で目が覚める。
 「ヤツダ!」犯人を追いかけるハウン・・・

 ===警察署にて===

 犯人を取り押さえ署で事情聴取中、他の課の婦人警官が来て耳打ちをする。
 あわてて飛び出すハウン・・・

 ハウンが向かった別の課では、屋台を手伝っていたウナのお尻を
 酔っ払いの客が触った事で、父親(ジェス)と客の男が喧嘩になっていた。
 それを聞いたハウンは、入ってくるなり客を殴ってしまう。
 ウナ 「暴力振るうなって言ったはずよ!」(シュンとするハウン)
 男  「そうだ!警察が善良な市民を殴ってもいいのか?出る所に出てやる!」
 しかし、それを聞いて次に殴っていたのはウナだった。
 親子で留置所に入ったウナとジェス・・・

 ハウン「結局、触ったわけですね」  男「イヤ、その、つまり・・・」
 ハウン「俺は刑事を辞めたっていい・・・妹を傷つける奴がいたら―――
     八つ裂きにしてやる(熱く語る)幸いここは法治国家だから
     俺も、おたくも法律で裁かれるだけですよ」 (男 びびる)
 男  「そんな事いわずに・・・ほんの出来心というか・・・」

 そんな たわいもない出来事の裏側で、静かに復活の物語が進行していきます
 ハウンの課では、不在のハウンに電話が入るが無言で切れてしまう。

 ===ニュウースター観光ホテル 社長イム・デシクのマンション===

 その無言電話を架けた男イム・デシク・・・
 部屋には書き損じた紙くずの山 [時はすべての痕跡を消し去る]
 思いつめた顔で回想する。

 回想 (列車で犯人を護送中のハウン・・・
     ハウンを見て驚いたデシクは逃げるように列車を降りる)

 再びペンを走らす。[神が下さった最後のチャンス・・・]
 やがて、デシクの部屋に忍び寄る黒い人影・・・・
 ホテルの副社長チェ・ドンチャンの顔が一瞬映ります

 ===ソ・ジェスの屋台===

 留置所から戻って、客と喧嘩した店の後片付けをしているウナとハウン
 ハウン 「早く帰れよ。普通 就職活動しながら屋台なんて手伝わないぞ」
 ジェスが豆腐を食べながら入ってくる。
 ジェス 「留置所から出られたんだ。豆腐を食べなきゃ始まらん。」
 ハウン 「おじさん、あんまり娘をこき使うなよ。父親なら服くらい買ってやれよ」
 ジェス 「兄貴だって服くらい買ってやれ」
 ハウン 「給料は全部、家に入れているだろう」
 ジェス 「言っちゃなんだか育てた20年を計算したらゼロがいくつになる?」
 ハウン 「その話なら耳にタコだよ」
 ドン!!テーブルを叩くウナ「買い物行ってくる!」 「あぁ・・」ビビる二人(笑)

 その後 公園のベンチに座りハウンと二人で写した写真を ぼんやり眺めているウナ

 ===車を運転中のハウン===

 ハウンは車を運転しながら、ジェスとの会話を思い出していた。
 ジェス 「見合いの事、ウナは何だって?」  ハウン 「気乗りしないって」
 ジェス 「そこをお前が頑張るんだ。相手は医者で性格も良さそうだ」
 ハウン 「自分で話せば?」
 ジェス 「お前が言う方が聞くだろ。とにかく会ってみろと勧めるんだ。
      ウナには俺達と違った人生を歩んでほしいんだ」

 突然 酔っぱらいの女が飛び出してきて 急ブレーキを踏むハウン
 後ろのドァを無理やり開け、乗りこむ女
 女 「運転手さん私のアパートまでね」  「これはタクシーじゃありませんよ!」
 止めるハウンの顔を見て
 女   「やだ!シンヒョクじゃないの ここで会ったが100年目」
 女はそのまま眠ってしまう。
 「ちょっと!困るよ!」 どうしようもなくなり、ハウンは家に連れて帰る。

 ===ソ・ジェスの家===

 ウナは自分の部屋に女を寝かせる。
 ジェス 「正直に吐け、お前と彼女の関係は?」
 ハウン 「暴力刑事と酔った市民との関係ですよ」
 ジェス 「寝たのか?」
     「父さん!おじさん!」ウナとハウン同時に怒鳴る。

 ==ニュウースター観光ホテル 社長イム・デシクのマンション 事件現場==

 翌日、デシクが死んでいる現場に来ているハウン。
 「自殺のようです。解剖待ちですが、外見上 絞殺の痕跡も見当たりません。
  遺書もあるし、服毒自殺のようです。」の報告に、
 ハウンは何となく納得できなかった。
 ふとテーブルの灰皿が目に留まる。(吸殻の本数にしては多い灰)
 そして、次にハウンの目に飛び込んできたのは・・・
 唯一記憶に残っている トラックから手招きしている指輪と同じ宝石だった。
 驚きを沈めようと洗面所で顔を洗っていると、
 便器の中に紙の切れ端が浮いているのを見つける。

 ===ソ・ジェスの家===

 ウナの部屋で目覚めた女、
 国会議員(イ・テジュン)の娘で、放送局の新米記者(イ・ガンジュ)
 部屋を見回し  「さぁ、思い出せ・・・頭の中の消しゴムだわ」
 誰もいないジェスの家を飛び出したガンジュ(家の前でウナとすれ違う)

 そのまま出社したガンジュ・・・(上司に怒鳴られている)
 上司   「お前の管轄内でホテルの社長が自殺した!
       酔って電話にも出ないなんて、それでも記者か!」
 ガンジュ 「3日徹夜したあとだったし・・・」  「もういい!」
 他の社員 「今日だったな、イ議員の出版記念」
 ガンジュ 「行けないと言ってあります。」
 社員   「一人娘が祝ってやらないでどうする。
       そうだ、ムルン建設のユ・シンヒョク副社長と結婚するのか?」
 (みんなの視線)「違います。ただのデマです」慌てるガンジュ。

 ===警察署===

 現場から戻ってきたハウン。昨夜のウナとの会話を思い出していた。
 ハウン 「その医者に会ってみろよ。引け目を感じることはないぞ
      ウナは世界で一番だ。顔もスタイルも性格もよくて一流大学も出ている。
      娘は親父や兄貴と似た男と結婚するって言うだろ・・・
      俺やおじさんみたいな男?(ブルル)そんなのゾッとするぜ・・・
      相手は性格もいいらしい。お前を一目で気に入ったそうだ
      父親は娘をいい男と結婚させたいんだ」
 ウナ  「お兄ちゃんも、そう思うの?」
 ハウン 「俺の夢はお前が韓国一の男に出会うことだ」
 心にも無い事を言ったハウン・・・窓から外を眺めながらため息をつく。

 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 ハウンが署の部屋に戻ると、知らない男が勝手に書類を触っている。
 怒ったハウンの問いかけに「チョン・ギド」と名乗る男・・・
 「自分の名は慶尚道(キョンサンド=南東部に位置する行政区の名)」
 と答えたハウン。
 しかし、その男はハウンの課に、新し赴任してきた班長だった。
 (ギドは20年前、刑事だったハウンの父(ユ・ゴナ)の後輩で
  ゴナの事故死に今だに疑問をもっている。目の前のハウンが
  当時、父親と同乗していて一緒に死んだガンヒョクだとは、知る由もない。)

 他の刑事が入ってきてデシクの件について鑑定結果を報告する。
 「遺書は自筆だそうです。名前はイム・デシク、49歳。観光ホテル社長。
  息子を事故で・・妻をガンで亡くす。
  15年前までカンウオンドの暴力団に属していたが、現在は二つのホテルの経営者」
 ギド  「15年じゃない・・20年前だ」
 ハウン 「なぜ、それを」(ギド それには答えず)「他には?」
 刑事  「酒ビンから本人の指紋とヒ素、手からミカンの成分が・・・
      解剖の結果はまだですが、服毒自殺かと・・・」
 ハウン 「自殺とは断定できない点が・・・
      遺書も、これは遺書というより何かの告白です。特に最後ですが―――
      “会ってすべてを明らかにしょう・・神がくださった最後のチャンス”
      これから誰かに会おうとしています。
      最後のチャンスというのになぜ死ぬんです。自殺にみせかけた他殺では?」
 同僚刑事(スチョル) 「外からの侵入者はいないんだぞ」
 ハウン 「部屋には誰かいた。これが現場に(灰皿の吸殻の写真)
      灰が多すぎませんか?証拠隠滅のために吸殻は持ち帰ったが
      灰の事までは考えなかった」

 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 ギド班長は荷物の整理中、箱から一冊のノートを取り出し眺めている。
 ノートに はさめてあった20年前の新聞の切り抜き記事
   [汚職疑惑の建設省課長 自殺]
 当時ハウンの父ゴナが追っていた事件で、ノートはゴナの捜査日誌・・・
 もう一つ はさめてあった一枚の写真
 ゴナとギドと、そして子供のガンヒョク(ハウン)が笑って写っている。
 (ゴナの声=あれは自殺じゃない、自殺にみせかけた他殺だ・・・)

 ===「武陵(ムルン)建設」の会長 カン・インチョルの家===

 刑事だったゴナの妻、キム・イファは夫と長男ガンヒョク(ハウン)が事故死後
 双子の次男(シンヒョク)を連れ、ゴナと同級生だったカン・インチョルと、再婚・・・
 今夜の イ議員の出版記念に行く準備をしている姿に
 インチョル  「君のような女性に会えて、私は運がいい」
 イファ    「シンヒョクは直接ホテルに?」
 再婚後、生まれた娘(シニョン)が「パパと選んだ」と
 ネックレスをプレゼントしたり幸せそうな家庭を築いていた。

 ===J&C(建設会社)の会社===

 会長チョン・サングク
 「シンヒョクも必死らしい。敵の状況も把握せず、作戦を練っているのか?」
 副社長で息子のジヌ
 「僕の敵ではありません。彼は無謀な人員整理で人材を失っています。」
 (ムルン建設の副社長シンヒョクとは幼馴染みで仕事のライバルでもある)
 サングク 「甘く見るな、ガンジュと結婚しようという計算高い男だ」
 ジヌ   「がっかりしましたよ。そんな理由で結婚するなんてくだらない」

 −−−出版パーティに向かう車の中で(サングクの若い後妻)−−−
 「どうしても理解できないわ、ガンジュの結婚。ジヌのほうがふさわしいのに」

 ===自分の出版記念パーティーに向かう車の中(議員のイ・デジュン)===

 運転する秘書に独り言のように・・・
 「シンヒョクを選んだわけじゃない。インチョル会長を選んだんだ。
  サングク会長はあまりに俗物だ、金しか知らん。一つ与えたら二つせがむ男だ」

 ===死んだデシクのニュースター観光ホテル===

 ハウンとスチョルは観光ホテルの副社長チェ・ドンチャンに会いに来ていた。
 ドンチャン 「お待たせしました」
 ハウン   「2時間待ちましたよ」
 と見上げたハウンの顔を見たドンチャン(非常に驚いた顔)
 ハウン   「今朝、イム社長の死体が発見されました。
        ご遺族がいないので遺体確認をお願いします。」
 ドンチャン(動揺を必死に隠し唇を震わせながら)「私にできる事なら何でも協力します」

 ===イ議員の出版記念パーティー会場ホテル===

(控え室) イ・ガンジュの着替えを手伝っているシンヒョクの母
 ガンジュ 「パパったら服まで用意して」「優しいお父様ね」
 部屋に入ってきたサングク会長の後妻
 「今夜は、高校の同級生が3人揃うんですね。
  亡くなったご主人がいれば、4人なのに・・・忘れ形見のシンヒョクがいて幸いだわ」
 「行きましょ」何も言えないイファを連れ、部屋を出るガンジュ

 ===警察署===

 ハウンは紙の切れ端をつなぎ合わせている。
 ギド班長 「何だ?」
 ハウン  「イムが死んだ部屋の便器に浮いていたんです。
       だれかが慌てて捨てたらしい」
 ギド班長 「今でもイムは他殺だと?」
 ハウン  「江陵(カンヌン)へ行くと言って7時にモーニングコールを
       頼んでいます。死ぬ前に頼みます?
       防犯カメラがあるのはロビーだけ。裏口や廊下はありません
       知り合いなら警戒せずに迎え入れる。」
 ギド班長 「お前、クニ(故郷)はどこだ?」
 ハウン  「江原道です。」
 ギド班長 「親御さんは?」
 ハウン  「こうみえても波乱万丈の人生なんですよ。急に何です?」
 ギド班長 「ちょっと、ある人を思い出してな」
 同僚刑事達が入ってきて
      「イムの電話記録に妙な点が。
       イムは死ぬ前に、うちの署に電話をしている。それも2回も」
 顔を見合わせるハウンとギド

 ===パーティー会場===

 ウナはそこのホテルでアルバイトをしていた。
 この日もパーティーの準備で忙しく働いていたが、通路でジヌとぶつかりそうになる。
 それがキッカケでウナを気に入ったジヌは、
 パーティー会場でお酒を運ぶウナを目で追っていた。
 そのジヌにあこがれている、シンヒョクの異父兄妹のシニョンが
 手を振りジヌのところへ行こうとして、足をすべらし会場のプールに落ちてしまう。
 すぐ、飛び込んで助けたウナ・・・

 ロッカーで着替えをして部屋を出ると、インチョルの部下が待っていた。
   「風邪をひかれたらこまるので
    カン・インチョル会長から家までお送りするようにと・・・」
 ウナ 「体は丈夫ですから」と断り去って行く。
 パーティーを抜け出し廊下で待っていたジヌ「僕が行きます」
 ロビーで追いつき
 ジヌ 「待って下さい」
 ウナ 「バスで帰りますから」
 ジヌ 「会長の命令に背くわけにはいきません」外まで追いかけて行く。(しつこい!笑)

 仕事の帰りウナと一緒に帰ろうと、迎えにきてロビーで待っていたハウンは
 二人の姿を見て、見合い相手と誤解して寂しそうに遠くから
 声もかけず立ちすくんでいた。

 一方、パーティー会場では・・・チョン・サングクにチェ・ドンチャンから電話が入る。
 驚いた顔・・・イ・デジュンに目配せして人目のないところへ
 デジュン 「そんな馬鹿な・・」
 サングク 「イム・デシクの担当刑事だ」
 デジュン 「何かの間違いだ!それはお前が一番 分かっているはずだ」
 サングク 「確認したんだ・・・あの子が生きている」

 ホテルの玄関を出るところで電話に出たハウン
 そこへ車が一台止まりパーティーに遅れて来たシンヒョクが降りてくる。
 お互い気づかぬまま、すれ違う二人・・・  第一話 おわり


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