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復活

2007

 韓国 KBS 制作


オム・テウン


チュ・ジフン


「魔王」
KBS公式サイト


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素材サイト様より
お借りしました


BGM
(グリンカ)
ノクターン
クラシック名曲
サウンドライブラリ


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歌→オム・テウン(日本語)

写真つき静止画面でも作っています。
よろしければ、ご覧ください


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感動のドラマ「復活」でおなじみの脚本家、キム・ジウさんの作品「魔王」。

いじめが発端の殺人事件を背景に、復讐、償い、赦し等、
それぞれ十字架を背負い苦悩する、刑事カン・オス (オム・テウンさん)と
弁護士オ・スンハ (チュ・ジフンさん)の、二人の青年の姿を描いた
重くて、見応えのあるドラマです。

========= ストーリー ==========

同級生のカン・オスグループから
いつもいじめを受けていた高校一年のキム・ヨンチョル。
仕返しをしようと震える手でナイフを握り締め
物陰からオス達を窺っているところを、
優等生のチョン・テフンに見つかり、ナイフを取り上げられる。

テフン 「あんなやつら、ただの卑怯者だ。憎む価値もないやつらなんだ。
     お前は・・ 誰よりも優しくて立派な友達だ。
     あんな奴らのためにダメになるお前を見たくない。
     それは・・しばらく俺が預かるよ」
     (泣き崩れるヨンチョル)

ヨンチョルの握っていたナイフをズボンのポケットに入れたテフン。

その後、いじめを諭すためオスグループに会いに行ったテフンは、
預かっていたヨンチョルのナイフで、カン・オスによって殺害される。


逃げるオス・グループが落としていったバスケットボールを拾った少女ヘイン。
その瞬間から目覚めたサイコメトリー(物体に残る人の残留思念を読み取る力)
によって、テフンが倒れている廃車置場の空き地に導かれる。

警察で事情徴収を受けるへイン。
その不思議な力で現場に居た事を信じてもらえぬ中、ただ一人
優しくへインの話を聞いてくれたのが、チャ・グァンドゥ刑事だった。
【あの「復活」の悪役チェ・ドンチャン (キム・ギュチョルさん)です^^】


その夜 自首してきたオスだったが、
“先にナイフで脅してきたのは被害者で、これは偶発的におきた事故。
使用されたナイフは、被害者のもの”という
3人のオスグループによる目撃証言や
国会議員で、ホテルの経営者でもある父親の力もあって、
正当防衛という事で記録も残さず無罪になる。

判決のでた夜、担当刑事だったグァンドゥを尋ねてきたオス。

グァンドゥ 「俺に話でも? あるなら言ってみろ
       (オス ・・・)
       法はお前の味方をしたが、俺は違う。よく覚えておけ。
       お前の人生は人の不幸の上に成り立っている。
       死に物狂いで生きろ。死んだやつの分まで必死に・・・」

結局何も言えず、何かを訴えるように泣きながら走り去ったオス。

父親や担任にも信じてもらえず
テフンの家に許しを請うため訪ねるが、会う勇気もなく・・・
自殺を考えるほど悩むオスは、別れ際担任に言う。

オス 「俺みたいなやつでも、今から死に物狂いで努力すれば・・
    神様は赦してくれるのかな
    テフンは赦してくれるのかな (涙を腕でぬぐい)
    いや、俺なんか赦してもらう資格はない
    そんな資格はないんだ・・・」

   (・・・肩を落とし去ろうとするオスを呼び止め)
担任 「先生は信じる。お前が心から許しを請い・・必死に努力すれば
    神様もテフンもお前を許してくれる。そう信じている」
    (涙で顔がグシャグシャのオス・・・)

【悪で荒れていたオスでしたが、事件後の苦悩する姿を
 子役時代の俳優が上手く演じていて胸をうたれます。】

===そして、12年後===

重い十字架を背負いながらも、必死に努力して刑事になったオス。
父親の反対にもかかわらず、今では熱血刑事といわれるほど仕事に没頭していた。

そんなオス宛てに警察署に届いた差出人不明の一枚のタロットカードとメッセージ。
そのカードを描いたのは12年前、あの事件で不思議な能力を持った少女へイン。
占い師の友達の店から盗まれたへインのタロットカードは、
その後、次々起こる殺人事件の度、オスに送られ現場にも残されていく。

一見、偶発的に起きた正当防衛で
関連性が無いように見えるそれぞれの事件だったが、
12年前のテフン刺殺事件に関わった弁護士、記者、オスグループの一人が殺され、
その被告人の弁護を引き受ける男 オ・スンハ。
この青年弁護士こそが、オスに殺されたテフンの年子の弟、チョン・テソンだった。

兄を殺され、正当防衛という不本意な判決の影響で母も失い
その存在すら忘れられるように姿を消したテソン。
その後、他の地で知り合った浮浪者仲間の親友スンハが事故死した時、
チョン・テソンの名をを捨て、オ・スンハとして生きていく事を決心する。

独学で司法試験に首席で合格し、着々と復讐の準備をしていくスンハ。
オーストラリアに住むヨンチョルを呼び戻し

スンハ  「昔、いつか必ず兄さんに償いをすると・・・機会を与えるよ。
      過ちを正す時がきたんだ」
ヨンチョル「どうやって?」
スンハ  「僕を信じてついてくればいい。神は運命を予言するが・・
      君は運命を変えられる。」

当時、自分をかばってくれたテフンの殺害現場を目撃していたのに、
それを証言する事もできず、ずっと後悔とオスへの憎しみを背負い
生きてきたヨンチョル。
最初はオドオドしていた彼だったが、死亡したスンハの形見のカメラを渡され、
その後の事件のすべてを手伝う事となる。


綿密に練られた計画のもと、自分は手を汚すことなく
第三者の心のスキを利用して、次々と罪を重ねていくスンハ・・・


一方、刑事を退職していたグァンドゥは3年前から
何も知らずにオ・スンハ法律事務所の事務長になっていた。

オスの捜査課のパクチーム長とグァンドゥが先輩後輩で仕事をしていた時、
糸口がつかめなかった連続殺人事件を、初めてヘインのサイコメトラーの力を借り解決。
その後は極秘事項という事でヘインとの連絡も絶っていたが
今回、再び応援を頼んだチーム長。
それを聞いたグァンドゥとヘインの母は、身体への負担が大きかったことを心配するが
自分の描いたカードが犯罪に使用された事で、進んで捜査協力するヘインだった。


刑事と弁護士、
それぞれの立場で図書館司書として働くヘインの図書館に通うオスとスンハ。

冷静沈着なスンハと、好きな人の前では自分の気持ちを素直に表現できず、
シャイな面もあってにくめないオス。
そんな二人に分け隔てなく、いつも優しく接するヘインだったが
ヘインの能力をも利用し、サイコメトリーの残像を操作していくスンハ。

その残像から明らかになってしまった自分の過去を、ヘインに告白し
苦しみながらも、チーム長、グァンドゥ、そしてヘインの言葉で再び立ち直るオス。


そんな中、残るオスグループの二人目スンギが殺され、
スンハの正体に気付き始めたオスは、
怒りを顕にスンハを訪ね殴りかかる。

オス  「どこまでやれば、気が済むんだ!
     あと何人死ねば満足なんだ!!
     言え!スンギを殺したと!
     デシクも、クォン弁護士も・・、ソンもお前が殺したと言え!」

スンハ 「私はチョンテソンで、一連の事件の真犯人です・・・
     そう言えば満足ですか?
     ・・・人殺しは私ではなく、カン刑事です。
     想像したことは?友達を失った悲しみが分かるなら
     家族を無残に殺された悲しみの深さも・・
     想像できるはずです。
     17・・・
     夢を描くことも、かなわなかったチョン・テフン。
     そして、彼の家族の人生までも・・
     あなたが一瞬にして奪ったんです。
     この前、言ったはずです。
     私がチョン・テソンで・・真犯人だという証拠を
     持ってこいと・・・   (オス・・・)
     ずいぶん、お疲れのようだ。
     帰って休まれたらどうです。」

オス  「俺がテフンを死なせた。何でも、あんたの望み通りにする。
     ここで死ねと言うならそうする。だから、
     ソクジン (オスグループの3人目) には手を出さないでくれ!」

スンハ 「そんな弱気なことでは、犯人は捕まりませんよ。」

オス  「事故だったんだ。殺そうとしたんじゃない。
     本当なんだ。俺は悪党だけど刺すつもりはなかったんだ。」

スンハ 「あなたの言い訳を聞く理由はない。
     事故だろうが何だろうが・・、あなたは真実を告げなかった。」

オス  「許せないのは分かる。俺は卑怯だった。それでも生きたかった。
     悪党だと分かっていても、もやり直したかった。
     寝ても覚めても、いつもテフンを思い出した。
     生きていてることが地獄だった。それでも生きていたかったんだ。
     生きて許し請い続ければ、テフンがいつか許してくれると・・
     思いたかった。」

スンハ 「許されると思いますか?」

オス  「そんな資格がないことは、分かてっている。
     ただこれ以上、犠牲者を出すのはやめてくれ。お願いだ!」

スンハ 「そんなこと頼まれても困りますね。
      運命は各自の選択ですから」   (背を向けるスンハ)

オス  「 (我に返り、力なく憔悴しきった顔で)
     すみません・・・
     心の中で数え切れないほど、この言葉を叫びました。
     今さらですが・・すみません・・・
     でも、あなたは、この俺が捕まえます。」
(力なく去るオス)


やがてヘインも、スンハが12年前に会った事のあるテフンと気付き
ショックを受ける。
体調を崩したヘインを見舞うスンハに

へイン 「(涙を流し)
     ・・・誰よりもあなたが一番つらいのは分かります。
     どんなにつらくても苦しくても・・・
     もう自分を止められないあなたが・・
     それでも出てこなきゃ・・・
     どんなに大変でも・・暗いトンネルの中から
     もう出てこないと
     精一杯・・力をふりしぼって歩くんです。」

スンハ 「 (動揺するスンハ) 何を言っているんです・・・」

ヘイン 「私が一緒です。私がそばにいます・・・
     私が・・チョン・テソンさん・・・そばにいます・・・」
(手を握ろうとするヘイン。 後ずさりするスンハ)

スンハ 「僕は・・・誰も・・・誰の手もいりません。
     君が見たものは、証明できない
     12年前と同じように・・・
     今度も君は、何も証明できないんだ・・・」

ヘイン 「お願い もうやめて・・・
     自分を捨てないで・・・希望を捨てないで。」

スンハ 「僕は・・・希望なんてものは信じない。
     通り過ぎた道は・・・二度と振り返らない。」
(ヘインと別れた後、声をあげて泣くスンハ)


オス兄の妻と不倫関係にあるソクジンは、
彼女を守るためアリバイが言えず、スンギ殺しの容疑で留置所に入る。

その弁護もスンハがする事になり、反対していたオスだったが、
不利な状況の中、ソクジンを助ける方法をスンハに訊ねる。

スンハ 「暴こうとしている真実が・・・
     あなたの心臓を貫くことになっても?」

オス  「ソクジンを救えるなら、それでもいい」

スンハ 「あなたは、すでに犯人に関する証拠を握っています。
     ソクジンさんの通話記録と・・写真です。
     いつか、あなたは言いましたね。
     見えるものだけが真実じゃないと・・・

     まずは見える証拠からです。
     そこから目で見えない真実が見つかるでしょう。
     楽しみですね。
     あなたが真実を知った時、どんな選択をするのか・・・」

その言葉から今までの事を思い出し、ソクジンと兄嫁の不倫に気付くオス。


そしてこの頃からスンハに変化が・・・
(鏡の自分に向かって)
「どこまでやれば、満足なんだ?・・・どこまで・・・」
(グラスの酒を鏡にかけるスンハ)


スンギの遺留品の透視を頼まれたヘインは、帰り際オスを呼び止め

ヘイン 「刑事さんは、チョン・テソンが誰なのか・・ご存知なんですか?」

オス  「証拠はありませんが確信しています。」

ヘイン 「私も誰なのか、見当はついています。
     でもずっと刑事さんには言い出せなかったんです。
     その人が可哀想で、どうしても言えなくて・・・
     その人が歩いてきた道を思うと・・
     暗闇に閉じこもっているその人を思うと、胸が痛くて
     どうしたらその人を止められるのか分かりません。
     刑事さんはその人を恨んでいますか?」

オス  「よく分かりません。 その人の中に自分を見るようで・・・
     許しも請えず恨めもしない・・・

     自分を苦しめちゃダメだ。 君にはそうしてほしくない」


スンハを電話で呼び出したオス。

オス  「少しは満足ですか? すべてあなたの思い通りだ。」

スンハ 「だいぶ酔っていますね」

オス  「不思議ですね。あなたに許しを請おうと思うと・・
     被害者たちの顔が浮かぶんです。
     あなたを心底憎もうとすると・・
     テフンとあなたのお母さんのことが浮かぶ。
     (フッと笑い) どうかしてるよな
     あなたを通して・・俺がみえる (動揺するスンハ)

     これ以上、後へも引けず戻る場所もない俺が・・
     見えるんですよ・・あなたはどうです?
     痛快な気分ですか?」

スンハ 「怖いようですね。
     正当なやり方法で犯人を捕まえると豪語しておいて・・
     真実を目の当たりにするのが怖くなったんですか?」

オス  「僕はあなたを捕まえますよ。ただ・・
     あなたを捕まえるのがうれしくないだけです。
     あなたの言う真実の果てに何が待っているのか・・
     この目で確かめます」
(寂しそうに帰っていくオス)


テソンの事を突き止め、悩んだグァンドウ事務長もスンハに言う。

グァンドゥ 「悩みました。私はどうするべきなのか
       何度も自問したんです。」

スンハ   「何のお話ですか?」

グァンドゥ 「多くの苦痛を一人で耐えた16の少年のことを思うと・・
       ふびんで胸がしめつけられます。
       私がもう一度、彼に目をやっていたら・・・
       少しは違っていたかもしれないと後悔しました。
       でも、あなたの選択は間違っています。
       世間があなたにどうあろうと・・、
       正義を捨てる理由にはなりません。
       しかし私は先生のそばにいます。
       出て行けと言われても・・・いつまでもここにいます。
       その少年に償いをするためにも・・・ここに居ます。
       私を必要とした時、いつでも助けられるように・・・
       ここに居ます。」   (目が潤み動揺するスンハ)

【このドラマは、脇を固める役者達の言葉が光りますね。^^
 復讐を一念に孤独に生きてきたスンハでしたが、
 周りの人々によって 少しづつ心に変化が・・・。】

=========================
【ここから最終話です。詳しいネタバレありますので
 まだ結末をご存知でない方はご注意下さい】
=========================

やがて兄に疑いを持ったオスは、写真をヘインに見せ、
遺留品から見えた残像と兄が同一人物だと分かる。

スンハの言った 「真実」 の意味を知ったオスは、
ショックを受け、やりきれない気持ちで兄に言う。

オス 「俺は・・兄さんに逃げてほしい。どこか遠くへ・・・
    でも、俺は知っている。
    人が過去を忘れても・・・過去は決して人を忘れないと。」
(うろたえる兄。)


カメラの事からヨンチョルにも捜査の手が伸びようとしている時
外国行きの飛行機のチケットとお金を渡しにヨンチョルの家を訪ねたスンハ。
目に飛び込んできたのは、
大きく引き伸ばされた高校時代のテフンとヨンチョルのパネル。

ヨンチョル 「 (パネルを見ながら) テフンが僕達を守ってくれるさ」

スンハ   「 (チケットを差し出すスンハ)
       明日の便だ。もうすべて終わった。早く発つんだ。」

ヨンチョル 「嫌だって言ったろ。」

スンハ   「まずはホテルに移るんだ。その後の住まいと費用も準備してある。」

ヨンチョル 「なせ僕を追い出そうとするんだ。俺が邪魔になったのか?
       君のことを、誰かに話したりしないよ。信じてくれ」

スンハ   「ヨンチョルさんのためを思ってのことだ。分かってくれ。」

ヨンチョル 「嫌だ!! (驚くスンハ) 明日、警察に行くぞ。
       押収品の中から証拠がでるはずがない。
       オスの困り果てた姿をこの目で見てやるんだ。」

スンハ   「 (慌ててヨンチョルの肩を抱き) もう、終わったんだ。
       僕達の望みどおりになったんだよ、もういいだろう?」

ヨンチョル 「終わりが見えただけだ。君が言ったんだぞ。
       僕達は最後まで一緒だって!!」 


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

すでに一人歩きしてしまったヨンチョルの事を思い、後悔し懺悔するスンハ。
    (その後姿を見つめるヘイン)

教会から出てきたスンハに、以前 オスから貰った笛を手渡し、

ヘイン 「あげます。ある人の温かい気持ちがこもっているので
     性能は抜群です。
     私が必要になったら、それで呼んでください。
     遠くまでよく聞こえますから。(スンハの手に握らせる)」

スンハ 「僕が怖くないですか?怖いでしょう・・」

ヘイン 「二人は似た者同士ですね。
     いつだったか、カン刑事にも聞かれたんです。
     怖くないかって。
     二人ともお互いを憎みながら・・お互いを哀れんでいます。
     お互いの苦しみを誰よりも理解しているから。」

スンハ 「見当違いです。
     私は彼に同情などしないし、許しもしません。」

ヘイン 「あなたはもう・・・刑事さんを許しているんです。。
     認めたくないだけです。
     心の声をよく聞いてみてください。
     きっと分かります。」
     (ヘインの言葉に動揺するスンハ)


翌日、ヨンチョルが警察に出頭してくる。

ヨンチョル 「ある友達が、交通事故で死んだんですが・・・
       その時 (カメラの) レンズが割れたんです。
       とても大事な友達だったので・・大事に保管してたんです。
       (マジックミラーの後ろにいる見えないオスを睨みつけ)
       事実を話せばよかったんだ・・・
       もう何もかも遅すぎる・・・。」


結局、証拠不十分で警察署を後にするヨンチョルの後姿を力無く見送るオス。
その時、兄のアリバイを崩す人物が捕まったと情報が入る。

兄に知らせるべきか葛藤し「すまない。兄さん・・・」うなだれるオス。


その頃スンハ法律事務所では、事務長が手紙と花を持って入ってくる。

グァンドゥ 「昼休みにヘインが来ました。
       皆、あなたを待っています。
       後ろを振り返らず、前を向いてください。
       ほんの数歩進めば・・・
       そこで皆が待っています。」

【ヘインの手紙】

==ゆうべの話の続きですが
  私はあなたがどんな姿でいても・・・少しも怖くはありません。
  一緒にいたいと思う人を、怖がるはずないでしょう?
  一緒にしたいことがたくさんあります。

  晴れた日には公園を散歩して、雨の日には屋台でお酒を飲む。
  週末にはお兄さんの農場で・・・
  ソラやハヌルとジャガイモを掘って、
  それでチヂミを作るんです。
  かわいいカフェにも行きたいし、クリスマスには教会でミサを
  それから来年の春には、農場に植えた水仙が咲くのを・・・
  一緒に見たいんです。==

「本当に・・そんな事ができるのか・・・。それが許されるのか・・・」


警察署に連行され、手錠をかけられた兄と顔を合わせたオスは
その場に泣き崩れる。
(複雑な表情でそれを見ているスンハ)

その事が要因で、オス父も心臓発作で亡くなり
病院に駆けつけたヘインは、外でうつむいて立っているオスをそっと抱きしめる。

葬儀が終わった夜、広い屋敷に一人 思いつめた顔で
座っている喪服姿のオス。・・・

オス父が亡くなった事を聞いたスンハの頬を涙が伝い・・・
事件が終わる度、現場で母の好きだったハッカ飴を舐めたスンハ。
この日もオスの家の前で、口に持っていこうとするが・・・
出来ずにスンハの手から力なく転げ落ちる・・・


翌日==昼に出勤後、携帯も取らず連絡の無いオス。
    心配していたチーム長と同僚のところへ後輩が飛び込んでくる。
    「先輩が射撃訓練室から銃を借りたそうです!」


一方、「ヘインさんに渡してください」と紙袋を母に渡したスンハ。
事務所に戻り、兄のように慕っていた人に「別れ」の電話をする。

そして・・・カン・オスから電話が入り・・・

部屋を出る時、振り返りヘインからもらった花を見つめるスンハ。

オスとの約束の場所に向かうため、車に乗ろうとしたその時、
憎しみの連鎖なのか・・・
待ち伏せていた男に腹を刺される。
(スンハの弁護する裁判を傍聴席から見ていた男)

何事もなかったように去っていく男の後姿を呆然と見送り・・・
その後、傷口をおさえながら苦しそうに運転し、オスに会いに行くスンハ。

そこは、12年前テフンがオスによって殺害された廃車置場の空き地。
刺された傷口を上着で隠し、やっとの思いで歩きながら、
背を向けて待っているオスに近づく。

振り返り・・・銃を向けるオス。

オス  「望み通りにしてやる。
     俺がお前を殺す事・・・お前が望む結末だ。」

スンハ 「結末にふさわしい場所ですね。
     ここにいるのは、あなたと私二人だけですから」

・・・・・(空に向けて発射したオス)

スンハ 「次は狙うんですか?何を迷うんです。
     誰も見ていませんよ」

オス  「お前も・・・苦しんでいるのか?
     俺と同じ地獄にいるのか?
     俺と同じ苦しみの中にいるのか?」

スンハ 「迷っていないで撃つんです。それで全てが終わる。
     何を迷っているんです」

オス  「(おろした手から銃が落ちる)
     俺がお前をそんなふうにしたんだ・・・
     お前を地獄に導いたのは俺だ。
     殺したいほど憎くても・・・お前を見ると胸が痛むんだ。
     テフンの事は・・事故だろうと故意だろうと
     お前の言うとおり、そんなこと重要じゃないんだ。
     真実を明かすために、俺は何もしなかった。
     すまない・・・本当にすまない。」

スンハ 「 (動揺し) 何を言っているんだ?
      (銃を拾い)
     終わらせるんだ。それがあんたの役目だ。
     僕を撃つんだ!あんたならできる。
     僕はあんたの友達を死なせた。
     兄さんを殺人者に仕立て、父親を死に追いやった。
     は・早く撃つんだ!!」

オス  「生きろ!それが地獄の苦しみでも、
     力の限り精一杯、暗いトンネルから抜け出すんだ、テソン!」

スンハ 「終わらせるんだ・・・
     終わらせないと・・・自分が許せない。
     あんたじゃなくて・・・これからは自分を憎むことになる
     (眼もおよぎ取り乱した状態で)決して許せない!!」

銃を自分の頭にあて「終わらせるんだ・・」「落ち着け! 銃をよこすんだ」
撃とうとしているスンハと、それを止めようとするオスがもみあい・・・

(銃声音) お互い顔を見合わせ・・・崩れ落ちるオス。

一瞬、何が起きたか分からないように見つめるスンハ。

スンハ 「しっかりしろ! 目をあけるんだ!
     死ぬな、死んじゃダメだ・・・
     死ぬな・・・しっかりしろ!」

慌てて震える手で電話をしようとするスンハの手を押さえ

オス  「 (とぎれとぎれに) 生きるんだ。力の限り・・・
     精一杯・・・生きてくれ!・・・テソン・・・
     許してくれ。俺のことも・・・お前自身も・・・」
    (握っていたオスの手が滑り落ちる)

スンハ 「目を開けてくれ、しっかりしろ! 死ぬなオス! 」

     『それでも生きていたかった。
      悪党だと分かっていても、やり直したかった。
      寝ても覚めても、いつもテフンを思い出した。
      生きている事が地獄だった。それでも生きていたかったんだ』

(オスの言葉を思い出し、みるみるスンハの顔が歪み・・・)
 身体を抱きしめ、声を上げ号泣するスンハ

「死ぬなオス・・・死なないでくれ・・・死なないで・・」


(廃車に寄りかかった二人の姿・・・
 刺された傷口からの出血で意識が薄れていく中、
 兄や母との食事の場面、ヘインのこと、
 そしてオスを思うスンハ・・・)

 「許してくれ・・・僕のことも・・・
  それから・・・あんたのことも・・・」

血だらけの手に握られている、ヘインから貰った笛を見つめながら
オスの肩で静かに目を閉じるスンハ・・・

【 紙袋に入っていた、スンハ母の形見のオルゴールと指輪・・・
  そして、チーム長からオスが銃を持ち出した事、
  最後の通話記録がスンハだったと聞いたヘインは
  何かを予感してこの場所に駆けつけます。
  目に飛び込んできたのは、寄り添うように眠る二人の姿・・・
  涙を流し佇むヘイン・・・】

  最後のメッセージ

“ 終わりは始まりです。懸命に幸せになってください ”

                  ===おわり=== 


観終わった時、将来のある二人の青年。
他に方法は無かったのかと しばらく茫然自失の状態でした。

でも時間が経つにつれ、これはこれで潔い結末で良かったのでは?
と思うようになりました。

少年の頃から復讐を一念に、孤独で冷酷無比だったスンハでしたが、
救いの手を差し伸べるへイン、スンハの姉、グァンドゥによって
人間らしさを取り戻し、最後には復讐の相手だったオスこそが
一番の自分の理解者である事に気付き息絶えます。


最初、成り行きで?事件を起こしたオス (映像では故意に刺してる?)が
刑事になっているのに違和感を感じ、
自分は手を汚さず、人の心のスキを利用して復讐を重ねるスンハにしても
どんな理由であれ人を殺めて、許される事ではなく・・・

でも、スンハと初めてお酒を飲んだ、事務長のグァンドウが言います。

グァンドウ 「カン・オスはあまりにも重い償いを強いられています。
       もし本当にチョン・テソンが真犯人だとして・・・
       家族を奪われた気持ちは分かりますが・・・」

スンハ   「それは経験した者でないと分からないと思います。
       私がチョン・テソンなら・・
       カン刑事を許しはしないでしょう」

グァンドゥ 「そうですね。故意でなかったにせよ兄を死なせたのですから。
       その上、母親まで命を落とすことに・・・」

スンハ   「故意だったとしたら、余計許せないでしょう」

グァンドゥ 「それも当然です。
       ですが勇気を奮い起こすには、あまりにも幼かった。
       彼はわずか17でした。」

スンハ   「寛大ですね」

グァンドゥ 「 (微笑み) チョン・テソンを思ってもことです。」

スンハ   「それはどういう事です?」

グァンドゥ 「同じように、彼も幼すぎました。
       16という歳で悲惨な経験をし・・・
       世の中の暗い面を知ることになった。
       憎しみが深まるのも無理はありません。
       幼い頃の傷は、一生を支配しますから・・・
       もし、彼が成人後に同じ経験をしていたら・・・
       殺人を犯すまでには至らなかった気がします。
       カンも12年間、罪を背負ってきたはずです。
       今も二人は・・
       17と16という時に閉じ込められています。」

これには、動揺しているスンハと一緒に、
妙に納得したアジュンマでした。 (さすがドンチャン 笑)


スンハの正体を知ったヘインは
ショックを受けながらも彼をはじめてのデートに誘います。
楽しいひと時を過ごし別れたあと、涙を流すヘインでしたが
そんなヘインの気持ちも知らず、
今までにない幸せそうな笑みを浮かべるスンハ・・・
最終話では、ヘインから送られた写メールの青空で、
眩しそうに空を見上げます。

本当は同じ想いのはずのオスも、スンハの気持ちを知って
ヘインに気を遣う優しさなど
緊張した展開の中で、時々見え隠れする二人のほのかな想い・・・
本当に切ないドラマです。

それにしても、チェ・ジフンさんの流す涙が美しい・・・
ヘイン母の作った春雨で、母や兄を思い出し外に飛び出すシーンや
スンハがテソンという事実を知ってしまった、スンハ姉との場面など、
ファンでなくてもドキっとしてしまいます。

(このように心に残るシーンや登場人物など、
長くなるため、全部紹介できないのが残念です。
又、まとめる都合上、お話が前後していますがお許しくださいね^^)


さて、一人歩きしはじめたヨンチョルの、思いのほか深い憎しみの心を知り、
純粋だった彼を ここまで巻き込んでしまった事のへの後悔・・・
オーストラリアから呼び戻した時の事を、教会で回想し懺悔するスンハですが・・・。

その後、オス一家が破滅していくテレビニュースをバックに、
一人食堂で淡々と食事をしているヨンチョルの最後の映像には、
何かゾッとするものさえ感じます。
自分のせいで死んだテフンへの思いと後悔、
そして、いじめによって誰よりも深く傷ついていた
この彼こそが、本当の魔王なのかもしれませんね。

それにしても、ヨンチョルがあの 「復活」 のさわやかアン秘書
(チョ・ジェワンさん) だと気がついた時の驚き。
(最初、本当に気付かなかった 笑) さすが名脇役です。^^


いじめや不本意な判決。復讐で起こる新たな憎しみの連鎖等、
重いテーマを背景に、見る人を選ぶドラマかもしれません。
ちょっと多すぎかな?と思えるトリック殺人等、
そこでリタイヤせず乗り切れば、時間の経つのも忘れ嵌ること間違いなし。^^
韓ドラにありがちな男女4人によるコテコテの恋愛の要素もなく、
名作 「復活」 と共に、綿密に練られ しっかりした脚本と、
心の琴線にふれる深く切ないストーリー展開で、お勧めの作品だと思います。^^♪♪

フ〜〜。。長い間、読んでいただき有難うございました。

最後に、 「魔王」ファンの友達 N さんから頂いたメールを紹介して終わりに致します。


【 ラストシーンを観て放心状態になって、何日も考えさせられたことです。
  廃車の前で息絶えたオスとスンハを最初に発見したヘインは地獄だったでしょうね。
  あの後のヘインを思うと、私は今でも本当に苦しくなってしまいます。
  結局これからも生きて、1番の地獄を味わうのはヘインだと思いませんか?
  愛していただろう二人の男性を同時に失って。
  悲しすぎます・・・
  何故、天使のようなヘインにこんな仕打ちが?
  もしかしてサイコメトリーの力があるヘインもスンハに復讐されたのかな。
  ヘインのおかげで次々スンハの起こした事件が暴かれてしまったから。
  実は、恐ろしいラストシーンのような気がするのは私だけ?
  なんてね。。。怖いくらい、かなりの妄想入ってるよね(汗)】

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