相田みつを様の詩 (4)

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(桜吹雪)  宮城県 塩釜神社にて
 
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  のに


あんなに世話を
してやったのに
ろくなあいさつもない

あんなに親切に
してあげたのに
あんなに一所懸命
つくしたのに
のに・・・・・・
のに・・・・・・
のに・・・・・・

〈のに〉が出たときはぐち
こっちに〈のに〉がつくと
むこうは
「恩に着せやがって―――」
と 思う



庭の水仙が咲き始めました
水仙は人に見せようと思って
咲くわけじゃないんだなあ
ただ咲くだけ
ただひたすら・・・・・・

人が見ようが見まいが
そんなことおかまいなし
ただ いのちいっぱいに
自分の花を咲かすだけ
自分の花を―――



花は ただ咲くんです
それをとやかく言うのは人間
ただ ただ ただ―――
それで全部
それでおしまい
それっきり

人間のように
〈のに〉なんてぐちは
ひとつも 言わない
だから 純粋で
美しいんです。


  文化出版局
      にんげんだもの  より

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