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素材サイト様よりお借りしました


壁紙


  
  
   
    風のように現れ、風のように去って行ったニャン太郎の一生・・・

    1996年7月
    当時まだ宅地造成中で、車道と歩道の区別もなく
    運が悪ければ車に轢かれてしまいそうな道路の真ん中に
    空腹でじっとうずくまっている手のひらに乗るほどの小さな小さな猫・・
    「なんで、こんな所にいるの?」
    突然の出会いに思わず声をかけ、自転車のカゴに入れました。

    その数週間前のこと・・
    近所の縁の下で、野良猫が4匹の子供を産み
    一番小さい仔猫をくわえたまま、二度と戻って来なかったのです。
    残された中の一匹が、産まれた家のお隣に引き取られ
    よく見るとその「モモちゃん」にそっくりな仔猫・・

    あの時、母猫がくわえ連れて行った仔に違いないと思い
    取りあえず、モモちゃん宅に連れて行くと
    ちょうど奥さんのお友達も来ていて、皆で仔猫を囲みました。

    すると何故か、何度向きを変えても私の膝によじ登ってこようとするのです。
    猫大好きな私・・
    こんなことをされると、もう放っておけるわけもなく・・

    当時、我が家には12歳のメス猫(クロ)と5歳のオス猫(歌麿)
    そして2歳のメス犬(シロ)がいて、とてもこれ以上は飼えないし・・
    大体、こんな小さな猫、犬が食べたらどうしよう・・等思いつつも
    結局、家に連れて帰りました。

    モモちゃんは、まだ哺乳瓶でミルクを飲んでいた頃だったので
    急いで買ってきて仔猫に与えると、よほどお腹が空いていたのか
    モモちゃんより二回りも身体が小さいのに哺乳瓶の乳首を噛み切り、
    自分でお皿の水やミルク、ふやかしたエサまで食べてしまったのです。

    下痢もしていたので病院に連れて行くと、
    ひょうたんの様なお腹には猫回虫が2匹も・・
    そんな身体で、いつから一匹で彷徨っていたのでしょう・・

    仔猫は「ニャン太郎」と命名され、そしてなんと
    一番心配した犬のシロが、甲斐しく世話を焼き始めたのでした。
     家に来た日。
 トイレットペーパーよりも
 ずっと小さかったニャン太郎

 シロの出ないオッパイを吸って育ちました

 仲良く食事中の3匹

 左、ボスのクロ。
 右、当時6キロもあった歌麿


 歌麿に抱かれてスヤスヤお昼寝中

 いつも一緒の2匹でした

    人間の手を煩わすことなく、母親代わりの犬と先輩猫に囲まれ
    すくすくと順調に育っていったニャン太郎・・

    ニャン太郎が来た翌年、ボス的存在だった猫のクロが13歳で亡くなり、
    その後は三匹、友達のような関係で月日が流れ・・

    2009年2月、15歳で犬のシロが・・
    2011年3月、20歳で猫の歌麿も亡くなり・・
    一匹になったニャン太郎は、
    15歳にして我が家のアイドル的存在になっていったのです。

    動物病院の待合室では、我が家で唯一
    キャリーに入らなくても抱っこされて待つことができる子だったし、

    家の近くから見える花火大会では
    怖がることなく、私の腕の中で最後まで観ていました。

    留守中、娘に預けるため生まれて初めて乗った電車や地下鉄では
    ただただ目を丸くして、キャリーの隙間から流れる景色を見つめ・・
    そして5日間の予定が、よほど快適なマンション生活だったのか
    3週間も帰ってきませんでした。

    そんな家族それぞれの思い出をたくさん作り・・・
    16歳の血液検査も異常なく
    元気なニャン太郎との別れなんて想像すらしていなかった
    2012年10月7日・・・
    それは突然やってきたのです。

    いつもと違った事といえば、その前日
    物怖じしないニャン太郎が、唯一苦手だった長男の小さい孫達が来ても
    逃げることなく常に輪の中心にいて、皆との写真をたくさん残したこと・・・

    そして、いつも私と一緒に大人しく寝ているのに、何故かその夜は
    落着きなく出たり入ったりを明け方まで繰り返したのです。

       

    それでも翌朝は変わりなく餌も食べ、いつもの様に私のベッドで寝ていたので
    特に気にすることなく過ごしていました。

    そして午後・・・
    「お昼食べておいで」と起こし、蛍光管を替えようと脚立へ・・
    ふとドアに目をやると、階段を下りたはずのニャン太郎が
    もう入ってもいい?という様にチョコンと座っていて・・
    そしてそれが、あの子の生きている最後の姿になってしまったのです。

    なかなか外れない蛍光灯のカバーに悪戦苦闘している時、
    ベットのいつもの寝場所にポンと上がった気配・・
    次の瞬間、今まで見たこともない形で倒れこみ・・・
    (たくさんの透明の液体を吐いていたのを後で気づきました)

    あわてて抱き起すと
    頭も、首も、手足も シッポも
    全く力の入っていない状態でダラリと垂れ下がり、
    そしてそのシッポは最大限に膨らんでいて・・・
    その時、一番怖くて驚いたのはニャン太郎自身だったに違いありません。

    何が起きたのか。。。パニック状態で名前を叫びながら
    動かなくなった身体を
    ただひたすら、さすることしかできませんでした。。。


    食べてなかったお昼ご飯・・
    トイレの砂の塊・・
    吐いたシーツとマットの洗濯物を干しながら
    ニャン太郎がもう居ないという現実・・・

    今まで何匹も看取ってきたけれど、突然死は初めての経験でした。
    どの子も皆つらい闘病があり
    でもその間、ある程度の覚悟もできたのです。
    特に20歳の歌麿の時は、
    最後の3か月間、痩せ細った身体で発作を繰り返し、
    もう頑張らなくていいんだよと何度思たことか・・・

    そんなつらい事も経験せず、
    元気なまま逝ったニャン太郎は幸せだったと思えるようになったのは、
    ずっと後になってからのことでした。

    皆が集まれる週末までの6日間、
    発泡スチロールにニャン太郎を入れ、朝晩の保冷剤を替えながら
    その時の私の行動といえば、まだ亡骸があるのに
    パソコンの里親サイトを開いてはニャン太郎に似た仔を探し・・・
    そうでもしていなければ、とても耐えられなかったのです。

     お別れの箱には
 次男の手紙や大好きだったカスミ草など
 入れました。

 時間が少し経ったので心配でしたが
 本当に綺麗な、眠ったままの姿で
 旅立っていきました。

 子供が生まれる前から34年間
 絶えることなく飼い続けてきましたが
 猫の居ない生活がこんなに寂しいなんて・・・

    足元の布団の重みが・・
    階段の上り下りの小さな足音が・・・
    おちょこで水を飲む姿が・・・
    暗い居間の窓で、皆の帰りを待っている姿が・・・
    突然思いだしては涙しているのを見て
    ペットロスを心配した娘が、ペットショップに行こうと誘ってくれたりもしました。

    今まで、捨て猫との出会いなど、
    選ぶことなく向こうから来た仔達ばかりだったので
    初めて経験するパソコンの里親サイトも
    いざ自分で決めるとなると、ニャン太郎の面影を追ってしまい、
    なかなか決めることはできませんでした。

     そんな生活が3週間過ぎた頃、
 ネコジルシのサイトで見つけた
 生後1ヵ月の黒猫
 旭川市生まれのニャン次郎が
 我が家の一員になりました。

    小さいニャン次郎は可愛く、それなりに癒されましたが、
    それでもまだ時間があればパソコンを開き
    ニャン太郎を探す生活は続いていたのです。

    そんな中、猫の毛色で性格がわかるという記事で
    ニャン太郎が「ブラックスモーク」というめずらしい毛並だった事が判明し
    検索するとそっくりな写真がいっぱい・・・

    心躍りながら里親サイトに「ブラックスモーク」を入力しましたが、
    やはり珍しいだけあって
    北海道はもちろん全国を探してもなかなか見つける事はできませんでした。

    あきらめかけていた時、偶然目に留まったのがこちらのページ

    こちら→ 「わん・にゃんこ」の里親募集~幸せへのいっぽ~

 名古屋の空港、セントレアにて

 これから何が起こるのだろうと不安いっぱい

     キャリーに網をかけられ、千歳空港へ出発です

    こうして、さなえちゃんの名前改め「スモーク」が我が家にやってきました。
    (ちなみに、この2日後に誕生した長男のところの3番目の孫の名前が
    「さなえ」になりました 笑)

    取っ組み合いジャレあい、夜な夜な繰り広げられる大運動会や
    カーテンの破壊行為など
    月齢が同じ仔猫達の行動は、それはそれはすさまじいものでした。

    予防接種の時「いっきに若返ったね」と先生に言われ・・
    受付でニャン太郎のことを伝えた時は
    「あら~、じゃ今までの子(クロ、シロ、歌麿、ニャン太郎)達のカルテは

    廃棄処分にしますね」
・・

    何気ない言葉でしたが
    あぁ・・・あの子達は本当にもう居ないのだ・・・
    一つの時代が終わった事を思い知らされた瞬間でした。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    ニャン太郎が亡くなってまもなく、この記事を書き始めたのですが
    あの突然死の場面でどうしても進むことができず、
    書き終わるまでに2年が過ぎてしまいました。

    ニャン太郎の一年後にモモちゃんも旅立ちました。
    亡くなる数時間前にお見舞いに行った時、穏やかな表情で眠っていましたが
    その後、一つ小さいクシャミをして苦しまずに静かに息をひきとったそうです。

     留守中の餌を頼まれた時のモモちゃん・・
 この一ヵ月後にお星さまになりました。
 

    そしてあれほどワラワラとしていた我が家の仔猫たちも
    2歳を過ぎ、すっかり落ち着いて大人になりました。

     =ニャン次郎=
 生後15日で保護され、兄弟や他の動物と一緒に
 人間の手で育てられていたので、お客さん大好き
 抱っこも大好きな物怖じしない性格です

     =スモーク=
 保護されるまで、外に一匹でいたせいか
 生きるための本能で警戒心が強く、
 ピンポンが鳴っただけで隠れてしまう臆病な性格です。
 ニャン太郎に似ているのは毛並だけでした(笑)
 でも、私の背中におんぶしてくる可愛い子です。

    携帯の待ち受けはまだニャン太郎ですが、
    時間がだいぶ解決してくれ
    これを書き終えた事で、少し前へ進めた気がしています。

    長い間読んで頂き有難うございました。 
    時間がございましたら、こちらのページ↓も見ていただけたら嬉しいです。

    こちら→
犬の十戒 「シロの一生」

    最後にYOUチューブで見つけた二つの動画です。
   動画を観る時は、流れている曲を止めてからご覧ください